ChatGPTは仕事をどう変えるか
2023.02.16
先週くらいからChatGPTで色々遊んでいて、段々ChatGPTの癖が見えてきました。
得手不得手はあるものの、出来ることが革新的すぎるので上手く活用することで仕事のあり方がかなり変わってきそうですね。
色々と触ってみながらChatGPTがこれから仕事や仕事を取り巻くものをどのように変えていきそうか色々考えてみたので、記事にしてみました。
私がwebデザイナーなのでところどころ職種特有な内容もありますが、ある程度汎用的な形にまとめているつもりなのでよければご覧くださいませ。
Index
1.情報収集を変える
まずは基本的なところから。ChatGPTはインターネット上にある幅広い情報を元に回答してくれるので、もちろん情報収集にも役立てられます。
現時点ではまだ誤情報が混ざってしまうことも多く、回答を情報として受け取る場合は最終的には実際に体験してみるか信憑性の高いソースでファクトチェックをした方が良いので、詳しく内容を知るためというよりは、あまり知らない情報についてざっくり概要を知るのに便利そうです。
多少誤りがあったとしても、概要を頭の中で構成しておけるとその後ちゃんと調べた時に頭に入ってきやすい気がします。
また、おそらく海外の情報源を元にしている内容も日本語で回答してくれるので日本語であまり出回ってない情報を集めるのにも便利そうですね。
2.学習を変える
このように何か学びたい分野がある時「●●を学びたいのですが、何から勉強し始めたら良いですか?」と聞くと、抑えるべき内容を簡単な理由付きで教えてくれます。
内容もそれなりに的を得たものになっているように感じます。他の分野でもいくつか質問してみましたが、近い精度のものが多いように感じます。
たまに少し乱暴な回答が来ることもありますが、その場合も気になった点を指摘することで精度を上げられます。
(例えば音楽の上達について聞いたら道具を揃えたらまずレッスンを受けろと言われました。間違ってはないですが。。笑)
知らないことを勉強する時って何を勉強するべきか迷って何もしない勿体無い時間が生まれてしまうことも多いので、単純に何を学んだらいいかの道筋を示してもらえるだけでも価値がある気がしますね。
更に突っ込んで知りたいと思ったら深掘り質問
先ほどのように単純に「●●について学びたいです」とだけ言うと学校で言うカリキュラムのような、大枠の情報が返ってきます。
大枠が分かるだけでもありがたいのですが、例えばブランディングの勉強のために成功事例を色々見よう!と言われても、そもそも成功事例ってどうやって探すの?何を持って成功になるの?と色々疑問が浮かんでくると思います。
そういった疑問もすぐ解決できるのもChatGPTのすごいところです。
ここまで分かると、具体的にどういった方法で事例を探したらいいか、それらの事例をどういった軸で分析すれば良いかというところまで分かってくるので格段に勉強しやすくなりますね。
これまではこういった内容はピンポイントに解説している良い記事や本がなければ肌感覚で覚えていくしかなかったので、学習効率を大きく変えることができそうです。
(回答をどの程度信用できそうかは経験で判断している部分もあるので、今のところそういった感覚が要らなくなることはなさそうですが。)
3.プログラミングを変える
コーディング作業やプログラミングにも役立ちます。
こんな形で、実現したい処理を質問するとどうやって実現するか答えてくれます。
今回の質問はかなり簡単な質問だったこともあるかもしれませんが、大分精度高く返してくれたので、このままコピペで実装して希望の処理が実現できました。
専門的な内容なのでこの記事ではさらっとした紹介に留めておきますが、他の方のブログなども見ているともう少し複雑度を上げてもある程度対応してくれる場合もあるようです。
Excel(Spread Sheet)の関数作成にも
同じ発想でExcel(Spread Sheet)の関数作成などでも活用できますね。
こんな形で、条件を文章で指定すると適した関数を返してくれます。
4.記事・資料作成を変える
もくじの作成
広く「もくじ」という見出しにしましたが、結構広い意味で使えます。
文字通りブログ記事などのもくじ作成もできるし、例えば提案書のアジェンダ、webサイト制作であればどのような構成にするかなど。
この流れでプレゼンを組めば確かに納得してもらいやすい提案ができそうですね。
ボリュームのある提案の時などはさらに小見出しなど付けてもらうのも良さそうです。
最終的にはその時伝えたい内容や伝える相手によって編集する必要がある場合も多いですが、自分の想定から抜けていた切り口がないかを確認したりするのにも使えそうです。
ダミー文章の作成
もくじだけでなく、文章の作成もお願いできます。
特にデザインなどをしているとまだ原稿が決まっておらず、一旦仮の文章を入れたくなる時がありますが、これも地味に悩んだりすることがあります。
競合企業のサイトからコピペなどだと失礼になってしまうし、あまりにサイトの内容からかけ離れた文章だとイメージが湧きづらいし、最終的に使わない文章を一から考えるのはあまり効率的とは言えないし、、
そんな時もChatGPTを使えばすぐ文章を用意できます。
そんな時、ChatGPTにお願いすれば一発で文言を用意してもらえるのでとても有用です。ダミーといえど多少手直ししたいところはありますが、それらしくなっていますね。
修正指示を伝えたり、より具体的なコンセプトを伝えていくことで、ダミーとしてだけでなくタタキ文章を作ってもらうこともできそうです。
5.思考の深度を変える
あるテーマについて思考を深めたいという時もかなり有用です。
ChatGPTは踏み込んだ議論などにもとことん付き合ってくれる上に、ビッグデータなどをもとになるべく中立的な意見を返してくれるので、議論のタタキ相手として活用して自分の思考を深ぼることができます。
めちゃくちゃ詳しく答えてくれます。。
これまでだとこういった質問への回答を得たければそのテーマに詳しい人と話す機会を作るか、GoogleやSNS、本などで質問の回答になりそうな論説を探すという結構手間のかかる工程が必要でした。
こういった内容を絞った質問だと疑問にピンポイントで答えている記事が見つかるとは限らないので、いくつかの記事の意見を整理して繋ぎ合わせないと満足の行く返答が得られないことも珍しくありませんでした。
思考を深めることが目的でも「考える」より「調べる」「情報を整理する」といった工程に多くの時間が割かれてしまうことが多かったです。
ChatGPTであればそのうちの「考える」以外の工程を瞬時に行ってくれるので、段違いのスピードで思考を深めていくことができます。
自己分析にも
以下のように、カウンセラー役をお願いして自己分析をすることもできます。
就職活動の時や営業の練習、ポートフォリオを作りたい時など広い場面で活用できそうに感じます。
こういうやりとりの時は必ず最初に褒めてくれたり、自分が回答した内容を別の言葉に言い換えてまとめてくれたり、返し方も優秀ですね。
6.戦略設計を変える
思考の話と近いですが、事業戦略などについて相談することもできます。
例えば私はフリーのwebデザイナーなので集客方法について相談してみました。
若干分かりづらい部分はありますが、ほとんど異論のない回答だしこういう会話を重ねていくだけでもある程度事業戦略が整理できそうですね。
途中まで比較的普遍的な内容だったので最後は試しに細かいコンセプトを加えて質問してみたのですが、しっかりとコンセプトに寄り添ってパーソナライズされた回答を返してくれました。
(回答の最後の3行は、質問時に明記はしなかったけど最も懸念していたことへの答えなので、そんなところまで察して(?)フォローしてくれるのはすごいですね。)
7.PCトラブル対処を変える
PC操作などで問題が起きた時に困っている点に的確に答えてくれるし、解決しなければ追加の質問などもできるので24時間即レスしてくれるサポートデスクの方がいるような感覚になります。これも便利ですね。
今まではPCやアプリケーションなどのヘルプページや解説ブログを参照することが多かったですが、自分の状況と微妙に違うケースのことが多かったりして途中でどうしたらいいか分からなくなってしまうことも多かったので、こういった使い方ができるのも嬉しいです。
多分海外の情報源を参考にしているためか、ちょいちょい「メニュー内の●●を選択してください」みたいな指示で●●の名前が間違っていたりすることがあるので、その辺りの精度が上がればより使いやすくなりそうです。
操作効率も変える
もちろん、トラブル解決だけでなく作業効率を上げる操作Tipsなども教えてもらうことができます。
8.翻訳を変える
私は英語はそこまで得意ではないのでここに関しては回答が適切かのジャッジは難しいのですが、これまでの翻訳ツールよりも細かい条件を付けて翻訳をしてもらったり、気になる点を伝えて課題を踏まえた言い回しを提案してもらったりといったことが実現できそうです。
まとめ
という感じで、デスクワークの仕事は全方位的に変わっていきそうですね。私も既に実務でも活用し始めています。
多少得意苦手はあるものの、いつでも質問できる優秀なコンサルタントがそばにいる感覚になります。
途中でも少し触れましたが「調べる」「情報を整理する」といった工程を革新的なレベルで省略することができ、これまでよりも格段に「思考」や「行動」に集中しやすくなるツールという印象です。
Googleが非常事態宣言出すのも頷けるくらい、検索エンジンが登場した時と同じくらいのインパクトがあるサービスですね。
ただ、現時点では一発目から期待通りの回答が返ってこないケースも少なくないので、回答がずれていることに気づける知見や、気づいた後に掘り下げた質問をして実のある回答を得るスキル、的確な修正指示を伝えて期待したアウトプットを返してもらうスキルなどがAIを使いこなす上で大事になってきそうと感じます。
ChatGPT自体もまだまだ進化していくと思うし、既にGoogleがBardの公開を予告していたりなどおそらく今後追従するサービスも出てくると思うので、この先この分野がどう発展していくか楽しみです。
ブランディングの教科書
人によって定義のぶれやすいブランディングについて、言語化から実践するための方法までが一冊にまとまっています。